第1回諏訪圏縦断サイクルマラソン参戦記~レース編
2006年6月10日、13:40。自分は上諏訪に向かうスーパーあずさ21号の車中の人である。本当はもっと早くアクセスするはずだったのだが、野暮用ができて、結局この時間だ。
明日6月11日(日)は、第1回諏訪圏縦断サイクルマラソン大会の開催日である。その大会にエントリーするために、移動しているのだ。
今まで自転車レースへの参加は、6月最終日曜日のツール・ド・美ヶ原だけである。今回初めて美ヶ原以外の大会に出るのだが、それも記念すべき第1回大会。どんな展開になるか、今からワクワクだ。
【前日受付】
上諏訪到着は16:05。そのまま自転車を組み立ててエントリー会場に向かう。受付会場は時刻が遅いこともあり、人はまばら。なんとなくアットホームな感じがする。
聞くと、エントリー者は1,000人を少し下回るくらいだそうだ。そそくさと受付処理をすまし、写真など撮ってその日は引き上げ。諏訪湖畔をぶら
ぶらしながら、明日のレースのイメージをシミュレーションする。
【レース展開】
11日の当日、目覚めてみると夕べ雨が降ったようだ。路面が濡れている。
気温も低く、肌寒い。寒いのはマラソンで慣れているが、路面が濡れているのは、初めてスピード系のレースに出る自分にとっては、少し不安だ。
自分の心配とは、スタートライン付近はお祭り気分。美声のアナウン
サー嬢の案内が響きわたる中、自分は会場風景などを撮影していたのだが、自分のクラスであるCクラス(40歳代)のプラカード嬢である地元専門学校生にも声かけして、ちゃっかり写真に収まってしまった。
待機時間が長く、寒くて大変だったが、ようやく時刻は7:00。 個人タイムトライアルのグループを皮切りに、クラス別に順次スタート。自分が属するCクラスも、7:20、標高759m地点から、42.195km先、標高1,235mの富士見高原を目指してスタートとなった。
Cクラスのエントリー者は109人だそうだ。マラソンにくらべれば格段に少ないが、でも、さほど広くない諏訪湖畔の道を自転車で連なって走るのは壮観だ。
もっとも、自分はツールド美ヶ原以外のレースに出るのは初めて。どのように組み立てて良いのか全く見当もつかない。
このレースは後半に、緩いけれどもヒルクライムがある。きっと勝負はそこでだろう。だから、前半の湖畔を半周する平坦路はあまり突っ込まないように心がけた。
~思えばこれが、作戦ミスであったが…。
こういうレース、大抵ドラフティングで体力を温存しつつ抜いていくのだろうが、正直なところドラフティングなんて技術は自分にはない。先行車両にくっつくのだが、恐くて恐くてたまらない。ついつい車間が2~3メートルくらい開いてしまうのだが、これではきっと風力避けにはなっていないのだろう。
平坦路のスピード、走行中にチラチラメーターを見るくらいだから、かなり不確かではあるが、だいたい20kmから、時に30、35km程度は出ているようだ。このスピードでダンゴになって走るのだからかなり恐い。でも、特にトラブルもなく、コースはいよいよ21キロ地点、第2CP(チェックポイント)を経て、富士見高原までのヒルクライム部分に入る。
「ヒルクライムは20キロもある。きっと30キロ過ぎの後半がポイントになってくるだろう。そこで勝負を掛ける。だから前半はギアも足も節約する。」
これが自分の作戦。(大間違いの…)
リアのスプロケは9枚。最高27Tだ。でも、前半は極力2枚は残すようなギア比を選択した。富士見高原までの登りは平均すると5度程度だろうか。そんなにきつくはないのだが、さりとてスイスイは上れない。
でも、こっちは美ヶ原の常連だ。自転車には最近乗っていないけれども、2週間前には野辺山のウルトラマラソンだって走っている。そんなに遅れを取ることはないだろう。
まわりを見ていると、結構ローに入れている人も多く、「そんなんじゃ、後半持たないんじゃないの??」なんて思いながら走っていた。
24.8kmの第3CPあたりから、斜度は次第にきつくなる。自転車にランニング用のGPSを取り付けていたのだが、標高を示す値が1,000m~1,100~1,150mと、ぐんぐん上昇していく。 リアのギア3段(23T程度)ではまわりに遅れを取るようになってきた。2段1段を使うかどうか迷う。足はまだまだ余裕があるが、いかんせん、ケイデンスは50回転代まで下がってきた。「少なくとも60回転以上は維持したい。2段までは使うことにしよう。」
ここのコース取り、けっこう直登が多い。つづら折りで、登りコーナーを超えたらまた登り…というのも応えるけれども、上り坂がどーんと一直線に見えている道路というのも、またシンドイものだ。でも、斜度自体は美ヶ原に比べれば全然で、その点、余裕といえば余裕だ。
沿道には、マラソンに比べれば数は少ないけれども応援の人たちが並んで旗を振っている。有り難いことだ。この応援がすごくチカラになる。
第4CP手前の30キロあたりのこと。そろそろ追い込みをかけるかなぁ…と思っていたら、沿道の応援の人が「がんばれ。登りはあと2キロだよ。」
「ええ??だって、コースはあと10キロ残っているのに。30キロ過ぎからはダウンヒルなの??」
ちくしょう、組み立てを誤った。もっとしっかり、コース地図と斜度を確認しておくのだった。これでは美味しいギアを使う前に登りが終わってしまう…。
迷うことなくギアをローに入れる。ケイデンスは一気に80回転代に、明らかにまわりのクルマよりもスピードは上がり、ぶち抜きモードとなった。でも、「しまった、作戦ミスだ。登りの最後の部分で稼ぐはずだったのに…」
あえぎながら登っていると、一台のクルマが横に並ぶ。ゼッケンを見ると500番台。
50歳代の方だ。…にしてはものすごく速い。自分も迷わずローに入れていたので、奇しくもバトルが始まってしまった。
抜きつ抜かれつ。ケイデンスは90回転代に入っている。登りでこんなに回すのは初めてだ。荒くなった呼吸で、まわりの音が全部聞こえなくなる。
でも、隣の500番台の人も、全然スピードが落ちないどころか、どんどん上がってくる感じだ。200メートルぐらい併走しただろうか。ついに彼にちぎられてしまった。車間は2メートル、3メートルとどんどん開くのに、いっこうに追いつけない。もう一度、ちくしょう!!
そうこうしているうちに登り区間が終わった。スタートからは約33km地点あたり、標高は1,395m程度の地点だ。レースの組み立て上はまだまだ登りが続いてほしかったが、身体は正直。ダウンヒルになって、ほっとしている自分がそこにいた。
ダウンヒルではフロントギアをアウターに入れ、思い切り回す。細いロード用のタイヤで、一般道をとばすのは、ちょっと恐いのだが、そんなことは言っていられない。この時も、途中で抜いたり抜かれたりが何度かあったが、気分的には、もう競争なんてどうでも良い。1秒でも早くゴールにたどり着きたい気分だった。レース後、サイクルコンピュータで見てみると、この区間の最高速度は58キロであった。
ついにゴールが見えてきた。ゴール手前は1車線規制でコーンが置かれ、ギャラリーも多い。そこをゴールに向かって一気に駆け抜ける。タイム:1時間38分59秒であった。
このタイム自身が良いのか悪いのかよく分からない。でも、表彰式前に掲示された順位表を見ると109人中51位の成績、真ん中よりも前とはいえ、期待していたほどではなかった。
レース後、足がまだまだ余裕が残っていたことを考えても、もっとローギアを積極的に使って、攻めるレース展開にしないとダメだったと言うことだろう。
20位の人のタイムは1:32:18。 30位の人は1:35:31。このあたりダンゴ状態である。レース運びによっては、もっと上の順位が狙えるはずだ。
ちなみに、Cクラスの最高位は1:20:55。最後の109位の方は2:04:10であった。
緊張感に満ちたレースの方も一段落、雰囲気が和んでくる。表彰式会場に移動する時、先導の白バイの警察官といっしょに写真を撮ってもらったりして、アフターレースのセレモニーの段となった。
【アフターレース】
レース後の表彰式会場。これかなり良く、すごく楽しかった。富士見高原の高原野菜~トマト、キュウリ、レタス、セロリ ポップコーン、豚汁。みんな無料で食べ放題である。
美ヶ原もトマトが出るが、人数に行き渡らないくらいしかない。それに比べるとものすごい量である。野菜は味噌を塗ってくれて、レタスなんか、逆さまにして芯の部分だけ切り取り、それを1個丸ごと食べさせてくれる。
「真ん中にみそを盛り、それにキュウリやセロリをつけて食べて。」だって。こんな食べ方初めてだ。自分もついつい調子にのってキュウリ3本、トマト2個、セロリ2本、レタス丸ごと1個、豚汁2杯完食した。
さすがに富士見高原、気温が低く、おまけに雨まで降ってきた。帰りは特別列車のサイクルトレインに申し込んでいるのだが、集合時刻は富士見駅12:20。ゴールしたのが9時ちょっと前だから、まだまだかなり時間がある。
身体が冷えてきたので、近くの旅館の温泉に入ることにした。露天風呂に浸かり四肢を伸ばすと、身体がほぐれてバラバラになりそうなくらいの快感だ。レースの方は必ずしもうまくいったわけではないが、運営も特に問題なかったし、何しろゴール地点の大盤振る舞いがすごかったし、「こりゃ、来年も絶対に来るぞ!!」とリベンジを誓ったのだった。
会場からの帰還は予定通りサイクルトレインに。12:20に富士見駅に着くが、実際に列車が出発するのは13:45。1時間以上もある。おまけに雨足が少し強くなってきた。「1時間も待つのイヤだなぁ…」と思っていたら、12:47に松本行き普通列車がある。
急遽思い立って、これに乗ってしまうことにした。
輪行袋を持っていなかったが、駅周辺を見回したが、コンビニなどは何もなく、衣料品店があるだけ。ダメもとで「なにか、ひものようなモノを売ってもらえませんか?」と聞いたら、衣類を縫製の時に出た余り布のひもをくれた。無料だった。
これで、素早く自転車を分解してこのひもで縛り、とりあえずカバーは我慢して12:47分の列車に飛び乗ってしまった。自分以外はみんなサイクルトレインを待っていたが、列車が発車する13:45には、自分は既に上諏訪駅に降り立っていた。
【レースを振り返る】
マラソンのレースでは、最初に突っ込みすぎて30km過ぎに潰れることが良くある。その記憶があったからかもしれないが、今回は大事に行き過ぎた。それに、そもそも、登りの終わる区間を、ちゃんとアタマに入れておかなかったために、ギアを有効に使い切れなかったということもある。
自転車の42kmなんて、やっぱり実質スプリントレースだ。余力を残す…なんて必要ないことが分かった。最初から全快で行っても大丈夫だろう。
今回は、結果についてはちょっと不満も残るが良い勉強になった。アフターレースも楽しかったし、是非来年もエントリーしてリベンジしたいところである。
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コメント
お疲れ様でした。
名前だけみると、サイクルイベントのような大会かと思っていたのですが、公道レースですね。
ヒルクライムと平坦地の走り方では、やはりかなり違いがありますから、いい経験をされたのではないでしょうか。
本格的なレースでは、もっと高速の大集団での展開もあります。そんな中で、周りに合わせて走れないと、落車の危険もあります。ダウンヒルなんて70km超のこともあります。(うちのダンナはそれで落車して骨折しました)
集団走行は一人で練習していてもなかなかわかりません。自転車のクラブには入っておられるんでしたっけ?クラブの練習会なんかで、集団走行の練習などされると、きっと慣れてくると思います。
(私は最後まで慣れませんでしたが・笑)
マラソンでも何でも、レース巧者は年齢じゃありませんね。同じ日に私がでたオリエンテーリングでも、一位になられるような方は70歳代だったりします。
投稿: まりも | 2006/06/13 10:32
>まりもさん、コメントどうもありがとうございました。
初めてこういう競技に参加したのですが、すごく面白かったです。自転車はランニングと違い機械を使うから、ギアの選択など、テクニックの巧拙がタイムや順位に影響を及ぼすことも多いんですね。美ヶ原のヒルクラでは、そこまで気がつかなかった。
自転車のクラブには入っていないし、これからも、当面そこまでの時間的余裕が取れず入らないと思うのですが、こういう大会、また出てみたいと思いました。
ご主人が自転車競技のベテランさんならば、(ケガ、大変でしたね。もう大丈夫なのかな?)これからいろいろ、教えてもらっちゃおうかなぁ…。
投稿: りっき | 2006/06/14 02:00
お邪魔します。
うちのブログにお越し頂いてありがとうございました。
サイクルマラソンお疲れさまでした。
今は時間的な制約とかで、クラブ等には入られていないみたいですが、
集団走行はある程度練習とかで経験しておくと、怖さも無く安全で楽に走れますよ。
と言いつつ平地で無理して速い集団について行って、坂路でダメダメなσ(^^;)でしたが。
美ヶ原も頑張ってください。
投稿: 玲 | 2006/06/15 07:12
> 玲さん
コメントどうもありがとうございました。
面白かったですよね。あの大会。
先日、スタッフとして参加した方のブログを見ていたら、大会本部の方には、「来年は100kmのレギュレーションを作ろう」という意見も出ているとか。
100kmとなると、かなり走りごたえがありますねぇ。今から少したのしみです。
玲さんは、チームにも所属しているのですね。自分も考えてみようかなぁ…と思います。
投稿: りっき | 2006/06/16 10:38